About
UNLEASH Equipmentは、編集とデザインの会社である株式会社インクワイアが運営する、クラフトプロジェクトです。インクワイアがこれまで培った知識やネットワークをいかしつつ、民藝、生活工芸、遊び、アウトドア、伝統などさまざまなカルチャーを横断することで、現代における「もの」との向き合い方や「クラフトマンシップ」について探求していきます。
いくら技術が進化したとしても、結局それを扱うのは人間。人間がもっと進化しなければならない。考えてみれば当たり前のことですが、あらためて、人間が技術を選び、技術が人間をつくる、そして、その技術と人間の関係性が社会を構築していく。その関係こそが大切だと気づきました。
アンリ・ベルクソンが「ホモ・ファベル(つくる人間)」と言い、ヨハン・ホイジンガが「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人間)」と言ったように、人間はもっと楽しく、自由に生きることができるはずです。ひとりひとりの持つ創造性を解放して、生きることを遊べるはずです。
古代から道具を作り続けてきた人間、民藝の歴史、自然とのかかわりあい、文化と文明の延長線上にある現代で、人それぞれが周りを気にすることなく自分の暮らしをデザインすること、そうして自律的に遊ぶように生活すること。それが私たちの考える「良きクラフトマンシップ」の世界です。
グッズドミナントロジックからサービスドミナントロジックへと言うようにモノからコトへのトランジションが叫ばれる現代ですが、結局のところ、コトはモノがなければ生まれません。たとえば、藤本一勇氏が著書『情報のマテリアリズム』で語ったように、情報空間のウェブサービスの存在のためには物理空間のサーバが必要になります。このように、いくら非物質に焦点をあてたとしても、非物質の背景には必ず物質があります。私たちは人間である限り絶対に物質から離れることができません。
そこで私たちはあらためて、その「モノ」の持つ強さ、求心力、魅力、必要性——つまり、想像力のためのマテリアリズム——に焦点をあて、生活の解放を目指したいと思っています。
古代よりモノを作り、暮らしを工夫し続けてきた人類。自分で選んだモノ、自分で作ったモノ、自分で見つけたモノによって、自分の生活のコトをデザインしていく。そのひとりひとりのクラフトマンシップこそが個人個人のウェルビーイングに寄与すると考えるからです。